当事務所は毎月、何社かの案件に取り組んでいますが、最近は選択制企業型確定拠出年金を使った退職金制度の導入、賃金制度の見直し、求人応募の増加と意図する人材の採用を目的とした求人票の作成援助など、があります。そして今回は、賃金制度の見直しについて触れたいと思います。
当事務所は、会社の制度に関することやコンプライアンスへの取り組みなど、様々なコンサルティング業務を行っていますが、その中でも賃金制度の見直しは、大企業のやり方を見習うのではなく、中小企業の規模に合わせた独自の制度を作り上げることが最適解だと考えています。
賃金の制度は、基本給+通勤手当だけという単純なものから、手当をいくつも支給している複雑なものまで、会社ごとにいろいろな特徴があって本当に様々です。
基本給や各手当は、本来は就業規則や賃金規程、給与規程といった付属の規程などで、その趣旨や金額などが説明されているはずです。しかし、気が付けば、就業規則・規程に定めていない手当を支給していたり、一部の人だけにしか手当が支給されていなかったり、ある手当が本来とは違う趣旨で支給されていたり、支給金額が適正なものでなくなっていたり・・・と、いつの間にか制度がぐちゃぐちゃになっていることがあります。
転職者を受け入れる際に、前職で支給されていた給与水準を考慮して採用したり、一部の従業員から出た不満を解消するため、本来の制度を捻じ曲げたりすることで整合性が崩れてしまいますが、人を採用したり、退職を思いとどまらせたり、といった日々の経営者の苦労と努力の結果でもあるので、決してダメなことではないと思います。崩れてきたら、ときどき直していけばいいのです。
そこで、このようなカオスな状態を整理し、一定のルールのもとに公正でバランスの取れた賃金制度を取り戻したい、といった場合に、それを手伝い、導いて欲しいということで、賃金制度の見直しを依頼されるわけです。
見直しを行う際、世の中の多くの会社はどのようにしているのか、最近の傾向はどういったものなのか、を気になさっている方も多いので、そういったことも説明しますが、賃金をどういう趣旨で支給するのか、例えば、会社への貢献に対して支給するのか、それとも生活給として支給するのか、というように、何を重視するのかについて経営者の考え方をヒアリングしながら進めていくと、満足のいく制度に近づけるのではないかと思います。
賃金制度にモヤモヤを感じていたら、ぜひ当事務所にご相談ください。