年次有給休暇の管理方法は?

3年ほど前から年次有給休暇が10日以上発生する人については、年5日の取得が義務付けられましたが、各事業所さんではどのように管理されているのでしょうか。

給与計算ソフトに年休の管理機能が備わっている場合は、給与明細に残日数を表示させることができて便利ですね。ただし、設定が難解なため使っていないというケースもあるようですが・・・

紙の管理簿を作成して取得実績を記入していくところもあれば、エクセルで管理用のシートを作成して入力しているところもあるかと思います。

また、社労士事務所に管理を依頼して、残日数を知りたいときには連絡して教えてもらうという方法もありですね。当事務所もそういう依頼を引き受けていたりします。

 

 

労働基準監督署が事業所の調査をする際に提出を求める書類は、出勤簿、賃金台帳、労働者名簿、労働条件通知書、就業規則、時間外・休日労働の協定、健康診断個人票などですが、最近は年休の管理簿も仲間入りしてます。やろうやろうと思って、ずるずるとできてない事業所さんは、調査が来ることで慌てて対応することもありますね。

当事務所では、給与計算に加えて年休の管理もお引き受けしていますし、自社で年休の管理をしたいとお考えのお客様については、簡単に管理できるエクセルシートの提供を行っています。

まだ年休の管理ができていない、という事業所さんは、社労士事務所に相談されるといいですね。

労災保険は誰のためのものか?

先日、ある会社にお勤めの知り合いの方から、「社長から『あなたたちのために労災保険を払ってあげてる』と言われたけど、その言葉がなんとなく腑に落ちない」との話をお聞きしました。

この方はお勤めしつつフリーランスで働いていて、労災保険などの社会保障制度について興味をお持ちでしたので、ピン!と来たんですね。

労働保険料は労災保険料と雇用保険料で構成されていて、雇用保険はお勤めの方(被保険者)の負担分がありますが、労災保険に関しては保険料のすべてを会社が負担しています。そこで経営者は「雇っているあなたたちのために払ってあげてるんだ」という思いを抱くのかもしれません。

しかし、従業員が業務上で災害にあったときは、病院の治療費や休業に対する補償など、会社はさまざまな災害補償をしなければならないと労働基準法に定められているのです。

つまり、仕事で従業員がケガをしたら、お金を払わなければならないのは従業員ではなく会社です。労災保険がなかったら健康保険が適用されない高額な治療費や働けない期間の給料などを支払わなければならず、財政的な問題で経営が困難になるかもしれないリスクがあるのです。このリスクを回避してくれるのが労災保険制度なので、労災保険は労働者を守る保険というより、会社を守る保険といった方が正しいのかもしれません。

 

北海道の知床半島沖で観光船が遭難しましたね。海釣りのときは水を検知すると浮き輪が膨らむベルトタイプのライフジャケットを付けていますが、水温が低いと長時間は命が持たないでしょうから、船に乗るならそういうことを考慮すべきだと気付かされました。

すぐに船酔いするタイプなので、堤防など岸からしか釣りませんけどね。

新年度の改正など

明日から新年度になりますね。これから労働保険の年度更新の準備に入っていくので、私たちの業界はあわただしくなっていきます。

 

この4月からパワハラ防止法が始まって、中小企業にもパワハラ対策が義務化されます。騒ぎ立てることでもないけど大騒ぎしている会社もあるかもしれませんので、ポイントを一つ二つ挙げておくと・・・

パワハラは相談があったらちゃんと話を聞いてあげて、同僚や周辺の人にヒアリングして事実関係を確認する必要があります。それで、パワハラに該当するのか否かを判断し、もしもパワハラだったら防止対策や懲戒処分を行います。

パワハラはセクハラと違って、被害者がハラスメントを受けたと感じる=ハラスメントがあった、みたいな感じの取り扱いはしません。それが本当にパワハラに該当するかを客観的に判断する必要があるのです。

また、パワハラは必ずしも上司が部下に行うとは限りません。職務上の優位性を持った人が行うハラスメントですが、入社したばかりの正社員より長期に渡って努めているパートタイマーの方が知識や経験において優位であったりするからです。

 

今年度の労働・社会保険関係の改正で大きいのは65歳未満の在職老齢年金のルールでしょうか。65歳以上と同じ47万円ルールになるので、今まで全額支給停止になってた人も6月から貰えたりしますね。(4月・5月分は6月支給)

そして、年金は繰り上げ・繰り下げのルールも変わるし、世の中が少しずつではあるけど、確実にいろいろと変わっていくのがなんだかワクワクしますね。

 

それから、今年は雇用保険率が年度の途中から上がりますね。10月から変わってくるので、給与計算の際には気を付けておく必要があります。