固定残業の給与計算

世界ではオミクロン株のピークアウト後も感染は下げ止まり再燃するようですから、日本も同じ道を辿ることになるのかもしれません。3月までとされていた雇用調整助成金の特例措置は、5月末まで延長されることになるようですが、助成金に頼らなくてもいい社会が来る日が待ち遠しいですね。

 

残業代は時間数に応じて支払わなければなりませんが、一定時間数の残業代を固定的に支払う「固定残業」や「定額残業」といった制度を導入している事業者も数多くいらっしゃいます。

固定残業代を支給していても、実際の残業時間に基づいて算出された残業代がそれを上回る場合は、差額を別途支給しなければなりません。残業時間をきちんと把握せず、必要な残業代を支払っていないと不払いとなり、後で大きな問題になりかねません。

残業が深夜に及んだり、法定休日の出勤であった場合などは、割増率が増えた分を考慮して計算をする必要がありますし、また、実際の残業時間が固定残業で想定していた時間を下回ったとしても、何らかの手当を追加支給したりすると、残業単価が増えて不払いが発生してしまうこともあり、その点も注意が必要です。

つまり、固定残業を払っているからといって、労働時間を把握する義務からは逃れられないし、残業計算をしなくてよくなるわけではありません。三六協定の限度基準を超えるような時間数の固定残業は裁判所に否定されるリスクもあり、従業員に「どれだけ残業しても給料が増えない」という不満を抱かせる要因にもなるため、さじ加減が重要になってきます。

このように、固定残業はいいこと尽くめではないのですが、人件費の見通しを立てることができたり、従業員に一定の金額を補償することで雇用を安定させやすくできるなど、企業のとっていくつかのメリットがあることも事実です。

固定残業を導入したり、残業計算に関して正しく計算できているか自信がない場合は、社労士事務所に相談されるとよいでしょう。社会保険労務士が使っている給与計算ツールの中には、計算式を設定できて固定残業を上回る支給分を自動計算できるものも存在します。

一人親方労災特別加入の紹介キャンペーン

コロナ感染がまた拡がってきていますね。愛知も岐阜もまん延防止措置によって飲食店は時短営業等を余儀なくされているので、雇用調整助成金の受給申請を再開しなければならない状況になってきています。

須田事務所では、コロナ対策として事務所を訪れる方との接触をしないよう張り紙を出し、ドアノブにぶら下げた袋で書類を受け渡し、電話で要件をお伝えするようにしています。

 社労士事務所や税理士事務所などは顧客の給与計算を請け負っているところが多いと思いますが、職員の感染によって多くの方の給与が止まってしまわないよう上記の対策を行っている次第ですので、ご不便をおかけして申し訳ありませんが、ご理解ご協力をお願いいたします。

 

当事務所が運営する「一人親方あんしん協会」では、ただいま建設業一人親方の労災保険特別加入の翌年度への更新の準備を行っていますが、今年は「紹介キャンペーン」を実施することになりました。

紹介してくれた協会員には2000円の金券を進呈、紹介されて労災加入した人には入会金を1000円割り引きします。

協会員からの紹介だけでなく、建設業の顧問先等が紹介してくれた場合も同じ対応をします。また、建設会社が下請け職人さんの加入費用を負担する場合は、上記特典に代えて入会金3000円を無料にします。

建設関連の職人さんで労災保険に特別加入されていない方をご存じでしたら、ぜひこの機会にご紹介いただけますと幸いです。

 

1年間ありがとうございました

雇用調整助成金の支給額の上限は来年からぐっと下がってきますが、助成金を受給していたお客様の多くが11月ごろから休業しなくてもよい状態になってきているので、ホッとしています。

雇用調整助成金による財源不足を補うため、来年秋には雇用保険料率が引き上げられることになる模様ですが、こういった社会制度を維持していくことの難しさが年々増している気がしています。

気候変動による災害も毎年のように発生していますから、あっちでも救済、こっちでも救済、となってくると、どうなってしまうのだろうか?と思ったりします。

しかし、同時に、こういった問題を解決してくれるのは、政治家ではなく科学者なのだろうといつも思います。

災害の増加で火災保険は値上がりしていますが、自動ブレーキの普及で自動車保険は安くなっています。私たちの生活に希望をもたらすテクノロジーの進化に期待したいですね。

 


当事務所の年内営業は28日(火)が最後で、来年は1月5日(水)から業務を開始します。

 

今年は労働保険事務組合を設立したりして、いろいろな方のお世話になりました。
1年間ありがとうございました。
来年も多くの皆様のお力になれるよう努めていきたいと思います。
よいお年をお迎えください。