健康保険

国民健康保険→社会保険への切替

春になり、人や事業が動く時季になりました。

 

 

現在国民健康保険に加入している方を、社会保険の加入要件を満たす労働条件で採用した場合や、会社自体が社会保険の適用を受けることになった場合に、意外と忘れがちなのが『国民健康保険の脱退手続き』です。

従業員の社会保険への加入手続きは会社がおこないます。
ですので、従業員は、ほぼ自動的に厚生年金・健康保険に加入することになります。

その扶養家族も同様に、会社がおこなう手続きで加入は完了しています。

 

その際【国民年金】は手続き不要で自動的に厚生年金に切り替わるのですが、【国民健康保険】は自動的に切り替わらないのです!

 

自分自身で手続きをしない限り、社会保険に加入しているのに国民健康保険から脱退していないという状態になってしまい、保険料も二重払いすることになります。

対象となる従業員がいらっしゃる場合は、一声かけて差し上げると良いかもしれません。

新しい健康保険証が手元に届いたら、従業員ご本人またはご家族が役所で手続きを行います。

必要書類などの詳しい脱退方法は、現在加入している市区町村の担当窓口にお尋ねいただくのが一番です。

最近では郵送で対応してくれる自治体も増えてきたようです。
すみやかに手続きをして脱退もれのないようにしたいですね。
河野

全額自己負担した医療費の還付方法をご紹介します!※協会けんぽの場合※

1/19付のブログにもありましたが、現在社会保険の手続きに時間がかかっています。
入社後すぐに手続きをしてもなかなか保険証が手元に届かないため、従業員やそのご家族が医療機関にかかって良いものかわからず困っている・・・というお話もチラホラ耳にします。

9f166c46518d23eb11ae971531015f3f_s

できれば、医療機関に『現在手続き中なので、保険証が届くまで保険者負担分の支払いを待ってほしい』旨をご相談いただき、了承していただけるのが一番良いのですが、医療機関によって対応はまちまちの様です。

・同月中に保険証を持参できるということならば、支払いを待ってくれる場合。

・医療機関に一時的に支払う必要があるものの保険証の確認ができたらその場で清算、返金してもらえる場合。

・月をまたいでしまったなど医療機関で『対応できません』と言われてしまった場合…
そんな時は医療費を一旦全額立て替えて支払い、後日協会けんぽに請求して保険者負担分(7割)を返してもらう事になります。

また、治療に装具(コルセット等)が必要となった場合も、全額を立替払い後に協会けんぽに還付請求する事になります。

○制度の内容はこちら→協会けんぽHP『医療費の全額を負担したとき』

手続き自体はそれほど複雑なものではありません。
1.協会けんぽHP内の【療養費支給申請書】を印刷して必要事項を記入
※ケガの場合は、さらに【負傷原因届】を印刷、記入します
2.【記入例】に書かれた添付書類を用意して事業所を管轄する協会けんぽに郵送

これだけです。

事業主の証明は必要ないため、被保険者(従業員)本人のみで手続きが行えます。
郵送先がわからないなどご本人がお困りの場合は、もちろん会社を通して手続きOKです。

ポイントは2点です。
★傷病名の記載のある診療証明書を用意すること(通常窓口でもらう明細に傷病名は記載されていないことが多いです)
★領収書は原本を郵送してしまうので、必ずコピーを残しておくか、付箋などで原本を返却してもらうよう依頼すること

 

昨年の秋に息子がケガをして装具の装着をしたので、まさに協会けんぽに療養費請求の手続きをしたのですが、その時は2週間ほどで還付されていました。
また、私が住む自治体ではこどもの医療費助成があるため、さらに残りの3割の払い戻し手続きを役所でしました。(この時に再び領収書の写しが必要となるため、あらかじめコピーをとっておきました)

 

保険証を使って医療機関にかかる事ができれば一番良いのですが、やむを得ない場合は病気やケガを我慢するのではなく、まずは医療機関にご相談いただき、場合によっては一時的に治療費を立替えて後日還付してもらうこともご検討ください。
463227

河野

やっぱり厚くて高い?! 130万円の壁

12月に入りました。
パートタイム労働者の中には、年末まで就業調整をされる方もいらっしゃるかもしれません。
労使ともに悩ましい時期ですね。
扶養の範囲内で働く、というと【100万円の壁】【103万円の壁】【130万円の壁】が思い浮かびます。
今年の10月からは大企業で働くバートの方に【106万円の壁】ができました。
そして、今後【150万円の壁】まで出現しそうです。

060458●100万円の壁→自治体にもよりますが、多くの市町村ではパート収入が100万円を超えると、住民税が課税されます。

●103万円の壁→住民税の他に所得税も課税されるようになります。配偶者控除からは外れますが、141万円までは特別配偶者控除がうけられます。
そして、会社によっては、“配偶者手当”“扶養手当”といった各種手当の支給要件を満たさなくなる場合があります。

●130万円の壁→第2号被保険者(会社員・公務員など)の配偶者の場合、社会保険の被扶養者から外れ自分で社会保険または国民年金・国民健康保険に加入しなければならなくなり、保険料負担が発生します。

【106万円の壁】は一部の方が対象とはいえ、低めの壁を新たに作った感じで、現在検討されている【150万円の壁】は全てのパート労働者の【103万円の壁】を移動させるイメージでしょうか。

それでも【130万円の壁】は変わらずデーン!!とそこにある・・・・
これで働き方を変える方はどの位いらっしゃるのでしょう?

パートタイムで働く主婦の場合、保険料を負担せずして健康保険の給付を受けることができ、国民年金第3号被保険者として年金受給もできる社会保険の扶養の制度はとてもありがたいので、就労調整してでも扶養家族でいたいと思ってしまいます。

どうしても【130万円の壁】は厚く感じてしまいますよね。
社会保険の扶養認定基準である“年間収入130万円”というのは、申請(または確認)の時点から先1年間の収入見込み額ですので、たまたまある年の収入は130万円を超えてしまっていたけれど、今後は超える見込みはないというのであれば扶養から外れることはありません。

逆に、現在被扶養者の方が年間収入130万円を超えることが見込まれる場合は扶養から外れますので、勤務時間と勤務日数が条件を満たせば勤務先の社会保険に加入することになりますし、そうでなければ国民健康保険と国民年金に加入することになります。

パートの年間収入150万円~160万円あたりが世帯の手取り収入がプラスになる分岐点だそうです。

“扶養から外れる”というと、手取り収入が減ってしまう!というデメリットばかりに目がいってしまいますが、自分自身で社会保険に加入することができる場合は、将来受け取る年金額が増えたり、病気や出産で会社を休んだ時に手当金をもらうことができるというメリットもあるのです!

傷病手当金について

出産手当金について

 

今後どのように税制や社会保険制度が変わっていくのかわかりませんが、働き方を考えることはますます重要になりそうです。

河野