無期転換ルール

無期転換ルールの高齢者特例について

有期契約労働者の契約が何回も更新されて通算5年を超えると、無期雇用への転換権が発生します。これについては今まであまり多くの人に知られていないように思いますが、4月に行われた労働条件明示のルール変更によって契約更新の際に無期転換権が発生していることを伝える必要が出てきたため、今後は少しずつ社会全体に知れ渡っていくのではないかと考えています。

ただ、この無期転換には一部例外があり、その一つが継続雇用の高齢者です。「第二種計画認定・変更申請」という手続きを行えば、定年後の再雇用者については、契約更新が5年を超えても無期転換申込権は発生しなくなるのです。

 

当事務所では、パートタイマーなどと有期労働契約を交わしている顧問先を抽出し、労働条件明示のルール変更について説明に回りました。そうしたところ、この「第二種計画認定・変更申請」のご要望が新たにいくつか発生したので、さっそく手続きを行いました。

また、最近では定年を超えた年齢の方を新たに従業員として採用するケースもあり、その人たちが対象外となってしまわないようにするため、就業規則を変更し、第二定年の設定も行いました。

労働局の担当者によれば、「第二定年、第三定年などの設定による例外の有効性は、もしかしたら今後の裁判等でどうなるかわからない」とのことでしたが、今のところは書類を受け付けてくれるので、ひとまず安心です。

 

J.S.

労働条件明示のルール変更(2024年4月)

4月から労働条件明示のルールが変更になります。

採用時だけでなく変更後の就業場所・業務内容を記載することとなり若干手間が増えますが、それよりも有期雇用契約者に無期雇用への転換権が発生することを明示しなくてならない点が気がかりな方もいらっしゃることでしょう。

転換後の労働条件は「別に定めることができる」とあるので、そこをどう設定するかがポイントになります。

また、この4月は建設・運輸・医療業界の時間外労働のルールが変わるため、状況によっては、時間外労働の抑制策を考えたり、三六協定の記載も変えなくてはならなかったりと、事業主側はいろいろとやることが多そうですね。

 

 

ところで、お客様の相談を受けていると、

「他の多くの会社はどうしているのか、普通はどのぐらいなのか、世の中の標準が知りたかったので、それがわかって安心しました。」

とか、

「行政に指示されたことや、法律で決められたこと、推奨されていることにどの程度合わせていくべきなのか、そのさじ加減がわかって良かったです。」

といった感謝をされることがあります。

 

お悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

 

J.S.