賃金制度

働き方改革をしたい会社の相談、増えてます

円安は続いてるし、物価は上がるし、景気は今一つパッとしない状況のようですが、それでも労働条件を向上させる努力(=お金を使う)をしようとしている中小企業がどんどん増えてきている実感があります。

当事務所のお客様でも「従業員の給料を上げてやりたいから賃金制度を見直したい」「残業時間を減らして固定残業を廃止できる体制を作りたい」「年間休日を増やしたい」といった感じの目標をお持ちで、その会社によっていろいろとやりたいことは違うけれど、残業を減らしたり休日を増やしても給料は据え置く予定なので、どれもそれなりにコストをかけるつもりでいます。

どのように進めていったらいいか、他の会社はどんな風にやってるのか、といった具合であれこれ相談を受けていますが、その会社ごとに状況が違うから答えも一緒ではありません。それぞれの最適解を見出すために事業主と一緒に考え提案をしていきます。一筋縄ではいかない問題もありますが、じっくりと取り組んでいけば一つ一つ解決していきます。

 

 

ここ最近、会社が労務管理にお金を使い出した背景には様々な理由が考えられますが、やっぱり人手不足の問題が一番大きいとは思います。年間休日が少ない会社が「この業界はみんなこのぐらいだよ」などと現状に甘んじていると、どんどん他の業界に若年者を取られていってしまうので、うかうかしてはいられないですね。

厚生労働省が民間委託している無料相談窓口には、日々多くの相談が寄せられています。無料で解決できるのは簡単なことだけになるとは思いますが、何らかの課題を抱えている多くの企業が、それを解決したいと動き出しているわけですから、存続を真剣に考えるなら早めに動き出された方がよいと感じます。

賃金制度の見直し

当事務所は毎月、何社かの案件に取り組んでいますが、最近は選択制企業型確定拠出年金を使った退職金制度の導入、賃金制度の見直し、求人応募の増加と意図する人材の採用を目的とした求人票の作成援助など、があります。そして今回は、賃金制度の見直しについて触れたいと思います。

 

当事務所は、会社の制度に関することやコンプライアンスへの取り組みなど、様々なコンサルティング業務を行っていますが、その中でも賃金制度の見直しは、大企業のやり方を見習うのではなく、中小企業の規模に合わせた独自の制度を作り上げることが最適解だと考えています。

 

賃金の制度は、基本給+通勤手当だけという単純なものから、手当をいくつも支給している複雑なものまで、会社ごとにいろいろな特徴があって本当に様々です。

 

基本給や各手当は、本来は就業規則や賃金規程、給与規程といった付属の規程などで、その趣旨や金額などが説明されているはずです。しかし、気が付けば、就業規則・規程に定めていない手当を支給していたり、一部の人だけにしか手当が支給されていなかったり、ある手当が本来とは違う趣旨で支給されていたり、支給金額が適正なものでなくなっていたり・・・と、いつの間にか制度がぐちゃぐちゃになっていることがあります。

転職者を受け入れる際に、前職で支給されていた給与水準を考慮して採用したり、一部の従業員から出た不満を解消するため、本来の制度を捻じ曲げたりすることで整合性が崩れてしまいますが、人を採用したり、退職を思いとどまらせたり、といった日々の経営者の苦労と努力の結果でもあるので、決してダメなことではないと思います。崩れてきたら、ときどき直していけばいいのです。

 

そこで、このようなカオスな状態を整理し、一定のルールのもとに公正でバランスの取れた賃金制度を取り戻したい、といった場合に、それを手伝い、導いて欲しいということで、賃金制度の見直しを依頼されるわけです。

見直しを行う際、世の中の多くの会社はどのようにしているのか、最近の傾向はどういったものなのか、を気になさっている方も多いので、そういったことも説明しますが、賃金をどういう趣旨で支給するのか、例えば、会社への貢献に対して支給するのか、それとも生活給として支給するのか、というように、何を重視するのかについて経営者の考え方をヒアリングしながら進めていくと、満足のいく制度に近づけるのではないかと思います。

 

賃金制度にモヤモヤを感じていたら、ぜひ当事務所にご相談ください。

今年の労働保険年度更新は

4月に入って新しい年度に切り替わりました。個別(※1)の事業所は6月から7月にかけて労働保険の年度更新を行いますが、労働保険事務組合は今頃がちょうど年度更新の処理を進めている時期です。私ども「労働保険事務組合 あんしん協会」に委託している事業所の皆様にはいろいろとご協力をいただいており、感謝申し上げます。

さて、今年の年度更新では、昨年の途中で雇用保険料率が変更になっているため、少し手間が増えました。「毎年の労働保険年度更新は自社で行っているが今年は面倒なので誰かに頼みたい」という場合は社会保険労務士事務所に依頼すると間違いないですね。

この数年間は法律もあれこれと変わっていっているので、社労士事務所と付き合いがあるといろいろと相談できていいのではないかと思います。

最近の相談事例としては、ハラスメントについて、求人について、年次有給休暇の管理について、運送業の賃金制度の変更について、育児休業期間中の労働について、社会保険の加入証明について、出産祝金の金額について、従業員としての雇用から業務委託への転換について、ちょっとここには書けないような恐ろしい事件について・・・など、簡単な事案から複雑なものまでいろいろあります。

お困りの方はぜひご相談くださいね。

 

 

今年のGWは天候が微妙ですね。出勤日に良くて休日に崩れそうな感じです。少し前に購入した車載冷蔵庫とリン酸鉄リチウムのポータブル電源を活躍させるのが待ち遠しいです。
みなさん、よい連休をお過ごしください。


※1:私たち労働保険関係に携わる者は、労働保険事務組合に労働保険事務を委託していることを「委託」、委託していないことを「個別」と呼んでいます。いわゆる業界用語ですね。