雇用調整助成金

雇調金上限、ようやく15,000円に

待ちに待った雇用調整助成金の上限額15,000円がようやく国会を通り、6月12日付で申請様式やガイドブックが更新されました。私たち社労士もようやく申請に向けて動き出しています。

この15,000円の上限は雇用調整助成金だけでなく、小学校休業等助成金にも適用されています。

あまり待たされずに受給できるといいですが、助成金の窓口や審査の担当はこれからまた忙しくなりそうな気がしますね。

 

昨今の話題といえば、パワハラ防止法でしょうか。
中小企業への適用はまだ少し先なので、あまり関心がないかもしれませんが、経営者や管理者はどういうことがパワーハラスメントに該当するのかだけでも知っておくとよいかと思います。
あと、同一労働同一賃金もすっかり世の中から忘れ去られているように思いますが、これも押さえておきたいテーマです。またコロナが去ったら話題に昇ってくるかな。

 

 

通常業務の方は、労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎届を処理する時期に来ており、またこの時期は高齢者報告や障害者報告の提出時期なので、社労士事務所は3月から7月までの繁忙期のラストスパートに差し掛かったところです。

雇調金、上限15,000円待ちでストップか

雇用調整助成金は、受給要件や提出書類が何度も変更になっています。上限額が15,000円になるとのことですが、厚生労働省WEBサイト内の申請書類にはまだ反映されていません。遡って適用されるとの情報もありますが、2度手間は避けたいので、今は多くの社労士が申請をストップしているように思われます。

コロナウイルスは一旦は終息してきたように思われましたが、九州や東京で再び感染者が増えてきていて少し不安ですね。第2波はもうそこまで来ているのか、それとも秋にやってくるのか、気になるところです。

労働保険の年度更新の時期が近づいてきました。そろそろ緑色(一部の事業者は青色)の封筒が届くころです。今年はコロナの影響で申告書の提出および保険料の納付期限が少し伸びて8月31日になります。また、今すぐに納付することが困難な場合は、申請により納付を1年間猶予することができます。

資料:令和2年度労働保険料等の申告・納付期限が令和2年8月31日まで延長されました(厚生労働省)

 

 

 

私事で恐縮ですが、先日母が他界しました。

無宗教での家族葬という形で故人とのお別れをしたのですが、業界団体や所属団体に連絡を入れたので、一部の方には弔電や見舞いの品をいただいたりとお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

パンデミックは恐怖が感染する!

雇用調整助成金は要件が緩和され、提出書類も少し減ってきていますが、多くの事業主にとっては申請にたどり着くのが困難であることは少しも変わりないようです。

申請件数がまだあまり多くないこと、審査もほんのわずかしか済んでいないことが、この助成金のむずかしさを物語っていると思います。当事務所でも何件もの申請を依頼されているので、同業者の先生とチームを組んで処理に当たっています。

ただ、支給率を4/5や9/10から10割にしたところで、上限は8330円。1か月丸ごと休業しても17万円です。もう少しなんとかなるといいですね。

テレワークが推奨されているので導入している事業所もありますが、どうやら家ではあまり仕事が捗らないというのが現実のようです。家だと電話に出なくていいから集中できて仕事が捗るというケースもあるようですが、テレワークのメリットはどうやら別のところにあるようです。

職場の一部にテレワークを導入すると「あの人がいないと困るなぁ」「あの人がいなくても問題ないなぁ」というのがよくわかり、必要な人材と不要な人材が選別できるというわけです。

テレワーク恐るべし、ですね。

 

須田事務所は、4月1日から6月末まで窓口対応を中止しています。お客様にはご迷惑をおかけしますが、必要な感染対策なのでどうかご理解をお願いします。

その他のコロナ対策としては、消毒液の購入、布タオルのペーパータオルへの置き換え、もしもの隔離に備えて入院セットの準備、病院の個室でテレワークできるようノートPCの購入など、考えられることはいろいろやっていますが、それだけでなく、これまでの業務の在り方の見直しも始めています。

ハンコ文化も見直されるようですが、当事務所も新システムを導入するなどして、業務効率の改善、サービス向上やリスク対策など、コロナウィルスによってもたらされたものをプラスに変えていこうと考えています。

先日、ある顧客から従業員のMさんを休業させるべきか否か、の相談を受けました。Mさんの同僚数名が休業させて欲しいと会社に言ってきたようです。しかし、詳しく話を聞いてみるとMさんに自宅待機などを命じるにはまったくもって無理な状況でした。

Mさんのとても遠い関係の方が感染しており、どう考えてもMさんが感染するのは考えにくいのです。同僚たちは恐怖によって物事を冷静に判断できなくなり、ハラスメントを引き起こすところでした。

別の事業所では、事業主が売上の減少に備えて助成金のための休業計画を提出したいと相談してきました。この事業所は売上が減少していません。私は、それは健康な時に病院で「感染した時に備えて予防措置で入院させて欲しい」と言っているようなものだと説明しました。

パンデミックは細菌やウィルスの感染だけでなく、恐怖の感染が起こる。パンデミックはそれが怖いのだと、どこかの番組でやってました。県外ナンバーの車に嫌がらせをする人が現れるのも、パンデミックによる恐怖の感染が原因なのかもしれません。

どうか事業主の皆さんには、こういうときこそリーダーとして冷静な判断をしていただきたいものだと思います。